10年程前にサーフィンで頭に傷を負い、海に入れない時期がありました。
その時に胸まで海に浸かり仲間のサーフィンを「カシャリ」と撮ったところ、仲間は出来た写真を見て喜んでくれ、僕自身にとっても海に入れない辛さを楽しさに変えられて嬉しかった事を覚えています。
それから暫くして、米国の「THE SURFER'S JOURNAL」を見ていた時に、ひらめきました。 サーフィン写真が僕の生きる道じゃないかと…
その日は今までに経験した事の無い興奮で、一晩中将来像を頭に描き、朝まで心臓がドキドキして眠れない夜を過ごしました。
すぐに、新婚の家内に相談もせず、ローンを組みハウジング(防水カメラケース)をオーダーするという悪い亭主に成り代わりました。
(誰にも止められないと思うほどの凄い勢いの自分がいたのです。すぐに理解してもらえましたが。)
その頃は漁師として独り立ちをし船を持つ事を目標として、日本の南の島を転々としていたのですが、船を持つ事は定住を意味し、放浪欲のある僕としては踏ん切りがつかないでいた頃でした。
最初のうちは、波や仲間のサーフィンを撮る事がただ楽しかったのですが、やがて背景の空や雲、太陽や月、雨や風の表情が見えてくるようになりました。それは「自然全体を撮っている」ということに気付いたのです。そんな中から「人間もサーファーも自然の一部」ということを学び、それらが上手く溶け込んだ時に、僕の好きな写真になると思いました。
今の僕は「自然」をそのままの色(白黒は別として)で撮りたいと考えています。
なぜなら自然の作り出す色は素敵で、個性を出す為に変える必要は無いと思うからです。
良い場所を探し、良い瞬間を待ち、好きな部分を切り取り写真にする。
そこに、こんなにも楽しく、学ぶ事の絶えないサーフィンの”感じ”を「カシャリ」というシャッター音の聞こえてきそうな写真で、上手く伝えられたらと思っています。 |

Mitsu |